なぜ事業計画書により銀行の融資審査が有利になるのか

世の中には、業績が悪くても、銀行から高く評価され、銀行から思うように融資を受けている企業があります。そのような企業は、最後まで返済できる力がある、と銀行にうまく思わせています。

銀行での融資審査は、8割、決算書の内容で決まります。しかし決算書の内容が悪かったら、融資をあきらめねばならないのでしょうか。

決算書は、企業が1年間、事業を行ってきた結果が数字で表されるものです。しかし事業計画書は違います。事業計画書は、過去のことではなく、将来のことが書かれます。将来の企業の設計図です。会社をどうやって維持・成長させるか、その設計図です。融資が実行された後、返済は将来の利益から得られる現金を原資にして行われます。過去の利益からではありません。将来、利益がしっかり上がって、そこから融資の返済ができるのが見込まれると、事業計画書を使って銀行に思わせればよいのです。

融資を受けたいなら事業計画書を書いて銀行に提出する

 

経営者がいくら頭の中で描いている事業計画があっても、それを銀行員に口頭で話すだけでは伝わりません。事業計画書は、書面にして銀行に渡してください。

銀行の担当者との面談の場面で、事業計画を話しただけの場合と、事業計画書を書面にして渡して内容を説明した場合とを比べてみてください。事業計画を担当者に話しただけでは、内容が正確に伝わりづらいです。また伝わったとしても、面談した担当者に対してだけです。

銀行の担当者は事業計画を経営者から口頭で聞いた後、その内容を文章でまとめることは行うでしょうが、そこにあなたの会社の意気込みは入りません。しかしあなたの会社が事業計画書を作成して渡した場合、その内容は正確に銀行に伝わります。また事業計画書は融資審査時に担当者からその上司、支店長、本部(審査部・融資部などの名称の部署)へ回覧されます。その人たちへ事業計画の内容を正確に、また意気込みまで伝えることができます。

決算書の内容が悪くて融資が受けづらい企業は、事業計画書を使い、将来、利益が上がっていくことを説明すべきです。そうすることにより融資を受けられる可能性を上げることができます。

銀行から融資を受けるために事業計画書を書く上で気をつけること

事業計画書は、それを読んだ銀行員が納得し、「この会社なら将来の返済も大丈夫そうだから融資をしてもよい」と思わせる内容でなければなりません。そのためには、内容が分かりやすいことが必要です。そして事業計画書全体で、筋が通っていることが必要です。

事業計画書を作るにあたって重要なところは、損益計画です。損益計画は、将来は今よりも利益が上がり、返済能力が向上するものである必要があります。売上が上がり、粗利率が高くなり、経費が下がり、利益が向上していく、事業計画書を作ってください。そして計画書に書いた数値をどのように実現させていくかを文章で書いていければ、立派な事業計画書になります。