銀行では融資の審査期間はどれぐらいかかるのか
銀行のそれぞれの支店には、融資先企業が多数あります。それぞれの支店にて、日々、融資の申込みがなされています。
銀行では融資の申込みを受けた後、支店内、もしくは支店と本部(審査部・融資部などの名称の部署)にて審査を行い、実行するかどうか、結論が出されます。銀行の中では融資審査に日々、忙しいです。
銀行での審査は、稟議にて行われます。稟議とは、審査のための稟議書が書かれ、それを銀行内で何人もの人に回覧され、最終決裁者が最後に決裁するやり方です。稟議というやり方は、とにかく時間がかかります。そのため、融資の申込みを行った後、実行するかどうかの結論を出されるのに時間がかかります。審査期間は長ければ1~2カ月かかることもあります。
また稟議書の作成時、銀行は企業に対し試算表や資金繰り表、経営計画書などいろいろな資料を要求してくることがあります。稟議書の回覧時の途中でも追加書類を銀行は企業に対し求められることもあります。このように審査の途中で中断されることも多く、そのような時間も含めると、さらに審査期間が長くなってしまいます。
銀行での融資の審査期間はケースバイケース
申し込まれた融資の内容によって、審査期間は変わります。建設業での工事期間中のつなぎ融資など、次の融資まで短い間隔で行われるもの。納税資金や賞与資金など毎年同じ時期に行われるもの。このような融資は、過去に融資を実行した実績、問題なく返済してきた実績があるため、短い審査期間ですみやすいです。一方、業績が悪化した企業に対してのもの、銀行がその企業に対して今までで最大の融資総額となるもの、過去に融資を出した実績がない企業に対してのもの。このような融資の審査期間は長くなりがちです。審査期間がどれぐらいかかるか、ケースバイケースのため、申込み時に銀行に確認をしておくべきです。
審査期間を考えると、銀行へはどれほど前に融資を申し込むべきか
銀行での審査期間がどれだけかかるか、あらかじめ予測しておくことは難しいです。理想は、必要となる日の3カ月前に融資を申し込むことです。遅くとも、必要となる日の1カ月前には融資の申込みをしたいものです。
なお、企業の中では申込みを行うことを決断していない状態で、しかし将来、融資が必要となる可能性がある場合。その場合には、銀行の担当者と会うごとに、ほのめかしておくのも良いです。「○月には融資が必要となるかもしれないから考えておいて。」というように、ほのめかします。
融資の審査期間を短くするために銀行にあらかじめ資料を提出する
銀行で審査を行うにあたり、企業から申込を受けた担当者が稟議書を作成します。その時、あらかじめ銀行は企業から、資料の提出を受けていれば、審査のスピードは早くなります。決算書は新しい決算書ができた時に銀行に提出しておきます。試算表は毎月、作っておきます。資金繰り表や経営計画書も、銀行に融資の申込みをしていない段階でも、作っておいた方がよいでしょう。
決算書について。銀行は提出を受けた後、決算書を分析してその企業の信用格付を付けますが、その期間で2週間かかります。融資を申込む時にやっと決算書を提出したのでは、そこから信用格付を付けた後に審査がスタートするため、遅くなります。毎年、新しい決算が出た後、企業は自主的に銀行に提出しておくべきです。
試算表とは決算が出る前の途中経過の損益を表すものですが、本来は毎月作成され、経営者が毎月見ておくべきものです。融資の申込み時にやっと試算表の作成に取り掛かったのでは時間がかかってしまいます。融資の申込みに関係なく、毎月作りたいものです。
多くの会社が、資金が足りない直前になって銀行へ融資を申し込むため、失敗しています。銀行への申込みは、資金が必要となる時期を早め早めに予測し、そして早い時期に行うようにしてください。