ノンバンクとは、銀行・信用金庫や、日本政策金融公庫等の政府系金融機関ではない金融会社のことです。銀行や日本政策金融公庫が融資を行ってくれない時、ノンバンクでの融資を受けられないか考えてみることができます。ノンバンクで無担保融資を目指す場合は、次の記事をお読みください。

ノンバンクで無担保融資を受ける

以下、ノンバンクの有担保融資について説明します。

ノンバンクが融資の担保として見てくれるものには何がある?

ノンバンクにはそれぞれ、行う融資に特徴があります。担保とするものにも、それぞれのノンバンクで特徴があります。

担保となるもので代表的なのは不動産ですが、他にも、売掛金、生命保険も担保になります。また手形割引に強いノンバンクもあります。

ノンバンクでの有担保融資その1.不動産担保

不動産を担保とした融資を強みとするノンバンクがあります。三井住友トラストローン&ファイナンス、新生インベストメント&ファイナンス、セゾンファンデックス、アサックスなどです。ノンバンクの不動産担保融資は、銀行等で不動産を担保に入れて融資を受けるのとどう違うのでしょうか。

ノンバンクの不動産担保融資は銀行に比べ担保の評価を高く見てくれる

ノンバンクは、不動産の評価を高く見てくれます。銀行で不動産の担保価値を評価する場合、土地では時価の70%あたりです。一方ノンバンクでは、時価の90%~100%あたりまで見てくれるところもあります。担保価値を高く見てくれるのであれば、銀行に比べ融資が出やすいことになり、また多額の融資を受けやすくなります。

ノンバンクの不動産担保融資は決算書ではなく不動産価値を重視してくれる

ノンバンクの不動産担保融資は、会社の決算書ではなく、不動産の価値を重視して審査を行ってくれます。

銀行は、不動産の担保価値よりも、融資を受ける会社の決算書を重視して審査を行います。銀行では、もし返済できなくなっても不動産を競売にかけて回収すればよいという考えは持っておらず、あくまで会社の返済能力を融資審査で重視します。一方でノンバンクは、決算書の内容が悪かったり、銀行の融資がリスケジュール(返済減額・返済猶予)されていたり、税金や社会保険料の滞納があったりしても、不動産担保の価値が高ければ融資をしてくれます。

ノンバンクの不動産担保融資の特徴

ノンバンクの不動産担保融資の金利は3%~12%あたりと銀行より高いです。ノンバンクの中で、銀行系のノンバンクは金利が低くなりますが、審査は厳しくなります。銀行系でないノンバンクは金利が高くなりますが、審査はゆるくなります。

それぞれのノンバンクで、担保とできる不動産の地域が異なります。全国対応のノンバンクもあれば、地域限定のノンバンクもあります。ノンバンクは不動産の担保価値を重視して審査するのですが、裏を返せば、返済できなくなった時にはさっさと不動産を競売にかけて回収すればよいという考えを持っています。そのため、ノンバンクはいざとなった時の不動産の売りやすさを重視しています。規制で自由に建物が建てられない地域であったり、需要が少なく売りにくい地域であったりすれば、担保として見てくれないことが多いです。

銀行は不動産を担保に入れる場合でも、融資審査で決算書の内容と返済能力を重視するため、不動産は万が一返済できなくなった時に備えて担保にとっておくもの、いう考えです。一方ノンバンクは、返済できなくなった時に不動産を競売して回収すればよいという考えです。不動産の担保価値は高めに見てくれるとは言うものの、その不動産が万が一の時に売りやすいかどうか、重視しています。

ノンバンクでの有担保融資その2.売掛債権担保

売掛金を担保とした融資です。銀行にも売掛債権担保融資はありますが、売掛金を担保にとったら毎月、売掛先や金額などの情報を収集する必要があるため手間がかかり、銀行は売掛債権担保融資に消極的です。一方、売掛債権担保融資に強いノンバンクであれば、ノウハウが確立されているためこの方法で融資を出してくれやすいです。売掛債権担保融資を行うノンバンクには、東信商事があります。

売掛金にもいろいろあります。1回かぎりの売上での売掛金があれば、毎月安定して売上が上がる得意先への継続的な売掛金もあります。継続的な売上であれば、常に一定の売掛金がその得意先に対して発生します。また継続的に売上が上がっている得意先が多くあれば、それらの売掛金を束ねると、常にまとまった金額の売掛金が存在することになります。常にまとまった売掛金があれば、売掛金を担保に融資を受けやすくなります。

例えば毎月5000万円の売上が上がり、その中で3000万円は継続的な得意先への売上であり、3000万円程度の売掛金が常に存在している会社の場合。まとまった売掛金の束として、それを担保にしやすいです。

なお売掛金を担保にするには、1.売掛先への通知、2.売掛先からの承諾、3.融資を受ける会社の商業登記簿への債権譲渡登記、このいずれかが必要です。3の方法を使えば、売掛先に知られないで売掛債権担保融資を行うことができます。売掛金を担保とすることを売掛先に知られたくない経営者は多く、売掛先に知られない3の方法をとることが通常です。

一方その債権譲渡登記が、売掛債権担保融資のデメリットにもなります。インターネット上には、会社の商業登記簿情報を誰でもネット上で見ることができる登記情報提供サービスというサービスがあります。それを使えば他社から、自社の債権譲渡登記情報を簡単に見られてしまいます。このように銀行や取引先から債権譲渡登記の情報を見られる可能性があります。それを見られて、銀行や取引先から警戒されるかもしれません。

またノンバンクの売掛債権担保融資の金利は8%を超えます。

ノンバンクでの有担保融資その3.生命保険担保

現時点で解約した場合、多くの解約返戻金が戻ってくるタイプの生命保険に加入していれば、生命保険を担保に、その保険会社から融資を受けることができます。融資を受ける時点で解約した場合の解約返戻金の7~9割の金額の融資を受けられます。金利は3~4%です。

なお保険会社によっては、解約返戻金の7割しか融資受けられないところがありますが、そこから2割上乗せした9割で、保険会社の代わりに保険証券を担保として融資してくれるノンバンクもあります。オリックスがあります。

ノンバンクでの有担保融資その4.手形割引

売掛金の回収を手形で受け取ることがある企業の場合。手形を銀行で割引して資金調達したいのに、自社の財務内容や業績、または手形を振り出した会社の信用が芳しくなく、銀行が手形を割引してくれなければ困ってしまいます。このような場合、金利は高くなりますが、手形割引を行うノンバンクを活用する手があります。東信商事があります。