反社会的勢力・犯罪歴ありと見られると銀行は融資をしてくれない

反社会的勢力とは暴力団、暴力団関係企業、総会屋などのことで、会社・経営者・役員・株主が反社会的勢力であれば融資は出ないのは当然として、反社会的勢力と関わりがあると疑われる場合も銀行は融資を行ってくれません。既存融資があれば一括返済を求められることもあります。全国銀行協会で反社データベースを構築しています。銀行から警察庁に暴力団情報を照会するシステムもあります。

また、会社が過去に社会的に問題を起こしていたり、経営者や役員、株主に犯罪歴がある人がいる場合も同じく、銀行は融資を行ってくれません。

ある会社は、新規の銀行に融資の相談をしたその日のうちに融資はできないと回答がありました。まだ決算書も提出していないのになぜかと思い代表者の名前でインターネットで検索したら、12年前、建造物侵入の現行犯で逮捕、という情報が出てきました。銀行は融資ができない理由を言ってくれないものの、この犯罪歴が分かってしまったと思われます。12年前の犯罪歴でも融資ができなくなってしまうのです。

経営者の余計な一言で銀行から犯罪歴ありと見られ融資を受けられなくなった

自分の会社はこのような問題がないと思っても、無意識に、反社会的勢力や犯罪歴などをにおわせることを銀行に言ってしまう人がいます。余計なことを銀行に言ったばっかりに融資が出なくなるケースがあります。次のようなケースがありました。

ある会社、自社の倉庫が火事になりました。その会社は損害保険会社に保険金を請求したのですが、損害保険会社は、保険金を得るためにわざと火をつけたのではと疑ってきました。そこで裁判で争いました。

このことを経営者は、融資を受けている銀行に言ってしまいました。聞いた銀行員は上司に報告し、聞いた上司は支店長に報告せざるをえず、本部までこの情報が流れてしまいました。本部からの指示は、この会社が保険金目的で火をつけた可能性があるから、裁判で決着してわざと火をつけたのではないことの確証を得るまでは新規融資は出さない、というものでした。

経営者が雑談の一つで言ってしまった何気ないことが、銀行内で大きく広まり、新規融資がストップしてしまったのです。銀行に言う必要もないことを言ってしまい、新たな融資を受けられなくなってしまえば、目も当てられません。

銀行員は、一度聞いたことは聞かなかったことにはできないのです。上司、支店長、本部に報告され、聞いた情報が問題とされれば今後の融資に支障が出てしまいます。

これは極端なケースですが、昔はやんちゃで問題を起こしていたとか、今、不倫しているなど、銀行員が聞いたことをどうとらえるか分かりません。余計なことを言わない方がよいです。武勇伝を話したがる傾向がある人は、特に気を付けなければなりません。