銀行があなたの会社に対し融資に積極的か、それとも消極的か、銀行がとる行動で分かります。
銀行では融資先の企業ごとに、積極的に取り組んでいくか、消極的、もしくは撤退していくか、決めているものです。ただ企業側では、銀行がどのようなスタンスか見えてきません。そのスタンスを推測するために、銀行がとる行動を次に述べます。
1.銀行が融資に積極的な会社に対しとる行動
- 銀行員が自社によく訪問してくる。
- 信用保証協会保証付融資だけでなく、プロパー融資を提案してくる。
- こちらから融資の相談をしなくても銀行から融資を提案してくる。
- 銀行間で競争があれば既存の融資に比べて低い金利(0~1%台)の融資を提案してくる。
- インターネットバンキングの月額基本料や振込手数料などの引き下げを提案してくる。
銀行は融資を積極的に行っていきたい会社に対し、当然ですが融資を売り込んでいきます。そのような会社は他の銀行も同じように融資を積極的に行っていきたいと考えますので、競争が発生します。競争が発生すると、信用保証協会の保証を付けないプロパー融資の提案、低い金利の融資の提案など、他の銀行に比べ条件の良い融資の提案が行われやすくなります。
また、融資とともに手数料収益が得られる取引も増やしていこうと、インターネットバンキングや振込など手数料が発生する取引を他の銀行から自分の銀行へ誘導すべく、手数料の引き下げを提案してくることもあります。
2.銀行が融資に消極的な会社、撤退したい会社に対しとる行動
- 新たな融資は行わない。
- 今までプロパー融資をよく行っていたのに、信用保証協会保証付融資のみしか行わなくなる。
- 新たな融資実行時でないのに銀行から不動産などの担保を入れるように言われる。
- 銀行員が自社に全く訪問してこない。
- 銀行が自社に融資の提案をしてこない。
- 短期継続融資(短コロ)を継続せず、分割返済に切り替えてくれと言われる。
- 当座貸越を継続せず、分割返済に切り替えてくれと言われる。
- 遊休不動産などがあれば売却して借入金の返済にあてるよう勧められる。
銀行は融資に消極的、もしくは撤退したい会社に対し、既存融資の融資量を減らす行動に出ます。新たな融資が行われず既存の融資の返済が進めば、時間が経つにつれ融資量は減っていきます。銀行が貸し倒れを100%負担するプロパー融資を行わなくなり信用保証協会保証付融資しか行ってくれなくなります。短期継続融資(短コロ)や当座貸越は途中で返済日や返済金額が決められていず、ずっと借りておけるものですが、継続せず分割返済へ切り替えることにより銀行は融資残高を減らそうとします。