銀行に融資を申し込む際に借入申込書を作った方がよいのはなぜか
銀行に融資を申し込む際、借入申込書を作った方がよいです。その理由は、次の3点です。
- 銀行から融資を受けることを希望するという明確な意思を銀行に伝える。
- 融資希望額・資金の使い道・返済方法の希望などを銀行に伝える。
- いつまでに融資審査の回答がほしいかを銀行に伝える。
銀行からすると、企業から借入申込書を自主的に提出されることはほとんどありません。借入申込書により企業の明確な意思を示されれば、銀行としてはいい加減に審査に取り組むことはなくなるでしょう。
借入申込書を作るのに30分もかかりません。わずかの手間をかけるだけで、融資の希望や条件面の希望などを銀行に明確に示せて、スピーディに銀行に動いてもらうことを促せます。借入申込書の作成はぜひやりたいです。
銀行員の心理を考えてみます。銀行員は日常業務が忙しいです。その中で、経営者などから口頭で融資を申し込まれても、審査の手続きに入るのを後回しにしてしまいがちです。最悪、融資を申し込まれたことを銀行員は忘れてしまうかもしれません。
あなたも、銀行に融資を口頭で申し込んでから長い間、連絡がなかった経験はないでしょうか。申込後に担当の銀行員がすぐに審査に取り組まなかったことが想像されます。一方、書面にて融資を申し込まれると、銀行員は早く融資審査をしなければならないという気持ちにさせられます。融資審査をスピーディに行ってくれることを期待できます。
銀行に融資を申し込む際の借入申込書の作り方
借入申込書は、A4・1枚で十分です。借入申込書に書く内容は、以下の通りです。
融資希望額
銀行は、融資希望額がなぜその金額か、根拠を求めてきます。
金額が少なくては、融資実行後すぐに資金が足りなくなり、短い期間で再び融資を申し込まなければならない事態になりかねません。逆に融資希望額が多ければ、なぜそんなに必要なのか、銀行に疑問を持たれてしまいます。適正な金額を検討し、借入申込書に記載してください。
融資を必要とする理由
融資を申込むにあたり、なぜその融資が必要なのか、資金の使い道を銀行に伝える必要があります。
希望の返済期間と返済方法
運転資金であれば、まとまった金額を借りて3年や5年など長い期間で返済していきたいのか。それとも一時的な資金不足をつなぐ資金として数カ月で一括返済したいのか。設備資金であれば導入する設備の耐用年数も踏まえて何年で返していきたいのか。返済期間の希望を書きます。希望を書かないと、銀行の主導で決められ、本当は長い返済期間としたいのに短期で返済することを銀行に決められ、資金繰りがきつくなる事態にもなりかねません。企業の明確な意思を示します。
返済方法とは、一括返済としたいのか毎月の分割返済としたいのか、据置期間を設けたいのかどうか、などです。
回答の希望日
融資審査の回答をいつまでに銀行にしてほしいのか、書きます。それを書かないと、銀行員の中には融資審査にのんびりと取り組んでしまう人もいます。
融資が必要な日は企業では明確です。ゆっくりと融資審査をされてしまい必要な日までに融資が出なければ、企業の資金繰りは大変なことになります。また、審査が否決となっても次の手をうつのが遅れてしまいます。いつまでに回答がほしい、ということを明確に記載し、その3日ぐらい前までに回答がなければ、始めに伝えた回答の希望日までに回答を行うよう、銀行に促します。