質問

弊社は建設業です。この数年の売上は1億円~2億円で推移しており、幸いに毎年利益を確保しています。

会社の財務内容は、波がありますが大まかには以下の通りです。

売上1億~2億円(過去5年)

税引前当期純利益300万円~1500万円(過去5年)

手持ち資金5000万円

借入金1000万円・残り返済期間5年(A信用金庫のみ。信用保証協会保証付借入。固定金利2%)

会社の事業資金として、新たに借入れをする予定は現在ありません。会社とは別に前代表者夫妻(現代表者の両親)が賃貸マンションを所有しており、その建設資金としての借入れが前代表者夫妻個人で下記の通りあります。

・RC造賃貸マンション・築後20年

・戸数11戸(3DKファミリータイプ)・他に約55平方メートルの事務所スペース(弊社が入居中)

・現在満室・家賃収入月105万円

・借入金1億3400万円(会社と同じ借入先A信用金庫から)・残り返済期間15年

・月々返済金額84万円

・金利:変動1.9%・短プラ連動

・担保:マンション建物・マンションの敷地

昨年末、これまで全くつき合いのなかったメガバンクM銀行が営業に訪れて「何か手伝えることはありませんか。」とのことなので、 マンションの借入金のことを相談したところ、下記の2パターンでの借り換え提案をしてきました。

パターン1.変動金利0.69%

パターン2.固定金利10年1.2%、11年目以降は変動金利

両方とも返済期間15年

A信用金庫にはこれから、M銀行の提案を示した上で金利引下げ交渉をする予定です。なお今年になって、A信用金庫に金利引下げ交渉をしたことがあるのですが、その時は短プラ連動で1.45%まで下げると言われました。さらに、下げるよう交渉予定です。

M銀行からの提案が、A信用金庫に比べてこれだけの金利差があるのであれば借り換えしたいところですが、A信用金庫には過去に助けられた経緯もあり、心情的には金利1%未満にしてくれれば借り換えせずにA信用金庫のままでも良いと思っています。また今後、家賃収入が減少するリスクもあり、計画通り返済できない状況になってしまった場合はメガバンクだとドライに切り捨てられてしまう恐れがあるのではないかと、感じています。

M銀行の副支店長は「もし将来、家賃収入が減少するなど返済が厳しくなれば、リスケジュール(返済の減額・猶予)の相談に乗ることもできる」 と言うのですが、 信用金庫の方が親身になってくれると思います。

質問は下記の通りです。

  • 高い金利でも信用金庫とこのままつき合った方が良いのか。その際の金利差は何%位までが許容範囲か。
  • メガバンクだと、将来、簡単に切り捨てられてしまうのか。
  • M銀行に借り換えたとして、その後、会社で新規借入れが必要となった場合は、A信用金庫からは借りられなくなってしまうのか(M銀行では、建設業向けは基本的に信用保証協会保証付の長期借入か、工事引当ての短期借入となるようです)。

追伸:その後、A信用金庫とM銀行から新たな提案がありました。

  • A信用金庫

現行:変動1.9%(元利均等返済・残り返済期間15年)

提案:変動1.175%(元金均等返済・残り返済期間15年)短プラ-0.3%

信用金庫としては、これが精一杯だそうです。

  • M銀行

借り換え案:変動0.63%(元金均等返済・返済期間15年)TIBOR+スプレッド0.5%

ただし今月中の実行が条件だそうです。

(O様)

回答

M銀行から借り換え提案をしてもらっていたところ、A信用金庫からさらなる金利の引下げ提案があったのですね。良かったです。ただしM銀行から提案の金利はそれ以上に低く、魅力的ですね。

ただしA信用金庫からの金利提案も低い数値であり、今までのつきあいを考えると、A信用金庫での金利提案を受け入れてよいのでは、と考えます。

メガバンクで借入れした場合、信用金庫に比べて、いざとなった場合に切り捨てられてしまうリスクは、信用金庫より高いです。またM銀行に借り換えした場合、A信用金庫は会社に対し、今までのように柔軟に融資してくれなくなる可能性があります。借り換えされた方の金融機関としては、借り換えされて面白くないと感情的になることが多いです。

なおメガバンクは、年商10億円未満の会社に対する融資は積極的ではありません。あなたの会社は年商1、2億円なので、A信用金庫が会社に対して融資してくれなくなった時のリスクも考えなければなりません。会社の方での今後の借入れ体制を考えても、今回はM銀行で借り換えせずにA信用金庫での金利引下げ提案を受けておいた方がよいと考えます。