「金融機関から融資を受けたくない。できれば無借金でいたい・・・。」
こう考える経営者は多くいます。今まで金融機関から融資を受けてきたが、そのメリットを考えたことがないから、無借金にあこがれるのかもしれません。
しかし金融機関から融資を受けることのメリットもあるはずです。メリットを5つ、考えてみました。
- 事業のスピードを速められる。
- ビジネスの幅が広がる。
- 預金残高が大きくなることで安全な経営できる。
- 金融機関を意識した経営になる。
- 会社のお金と個人のお金を分けて考えられる。
一つ一つ、見ていきます。
金融機関から融資を受けるメリット1 事業のスピードを速められる。
事業を拡大する、新しい事業を立ち上げる。このような時、資金が必要となることが多いです。設備投資や人員増強などが必要となるからです。また売上を拡大するにあたって在庫を増やしたり、売掛金として立て替える金額が大きくなったりと資金が必要となります。
このような中、手元資金だけではできることが限られてきます。今の事業で利益が貯まるまで動かないのであれば事業のスピードは遅くなります。また手元資金を事業拡大や新事業に使ってしまうと、日ごろの運転資金が不足する事態にもなりかねません。
金融機関から融資を受けることで、日ごろの運転資金には手をつけず、事業のスピードを速めることができます。これが1つ目のメリットです。
金融機関から融資を受けるメリット2 ビジネスの幅が広がる。
売上を上げたらすぐに現金で回収しなければ資金が回らない。そのような状況では、相手にできるお客さんが限られてきます。例えば製造業や卸売業など、売上先からの回収は月末締め翌月末入金など掛けとなることが多い業種の場合。売上を上げたらすぐに支払ってもらえるお客さんを探してもなかなか見つからず、いつまで経っても売上は上がりません。
また小売業など商品在庫を持つことが普通である業種では、資金がなく在庫を持つことができなければ、商売を行うことは無理です。
このような中、金融機関から融資を受けることで資金を多く確保できれば、ビジネスの幅を広げることができます。多くのお客さんを相手にできるようになります。扱う商品やサービスの幅を広げることができます。これが2つ目のメリットです。
金融機関から融資を受けるメリット3 預金残高が大きくなることで安全な経営できる。
金融機関から、特定の使い道がなく預金残高を増やす目的で融資を受けることもできます。金融機関から融資を受けられる時に目いっぱい受けておいて預金残高を増やしておけば、会社に不測の事態が起こっても会社はゆるぎません。
また会社に多くの預金残高があれば、経営者の心にゆとりができます。預金残高が少ないと経営者は焦りがちになります。将来の利益ではなく目先の利益を追ってしまい、売上をとにかく上げようと薄利多売となり逆に利益が少なくなったり、売るべきではない相手に売って回収不能が発生したりと、経営判断を誤ることが多くなります。預金残高を多くすることで経営者は心にゆとりを持って経営したいものです。これが3つ目のメリットです。
金融機関から融資を受けるメリット4 金融機関を意識した経営になる。
金融機関から融資を受けるにあたって、融資審査が必要です。金融機関は特に決算書を重視し審査します。事業で赤字を出していたり、債務超過(貸借対照表の純資産がマイナスであること)であったりすれば、金融機関は厳しく見てきて、融資審査が通らない可能性が高まります。
金融機関からいつでも希望通りの融資を受けられるようになるには、日ごろから経営をしっかり行い、利益をしっかり上げ、良い財務内容であることが重要です。金融機関からの目があることで、経営者はより良い経営を行おうと意識するようになります。これが4つ目のメリットです。
金融機関から融資を受けるメリット5 会社のお金と個人のお金を分けられる。
経営者個人で預金があるからと全てを会社につぎ込んでいては、経営者自身の生活は貧しくなります。また会社と個人のお金の区別がつかなくなるのも、会社経営であるべき姿ではありません。会社を設立する時に経営者個人が資本金を出資する、資本金を増やすために経営者が追加で出資する、これらは良いのですが、個人の預金を新たに会社に貸し付けることは避けたいものです。
金融機関から融資を受けることで、会社で必要な資金をまかなうことができ、会社と個人のお金を分けることができます。
金融機関から融資を受けるメリット まとめ
金融機関から融資を受ける5つのメリットは下記のとおりです。
- 事業のスピードを速められる。
- ビジネスの幅が広がる。
- 預金残高が大きくなることで安全な経営できる。
- 金融機関を意識した経営になる。
- 会社のお金と個人のお金を分けて考えられる。
経営者としては、金融機関から融資を受けるそれぞれのメリットを最大限、活用していきたいものです。