銀行から融資を受けやすくするための経営計画書について、損益計画を作成したら、それに行動計画(アクションプラン)を付けると、計画の実現可能性が増します。
経営計画書を読む銀行としては、売上・原価・経費・利益が書かれた数値計画を渡されても「どのようにこの計画を実現するのか?」と疑問に思うだけです。それに行動計画(アクションプラン)を付けることで、銀行は経営計画書の実現可能性が高くなると見て銀行からの評価を高められます。そして普通であれば銀行から融資を受けづらい会社でも、融資に近づくことができます。
なお経営計画書は、銀行から融資を受けるために作るものというのはメインの目的ではありません。経営計画書の第一の目的は、企業が経営改善して利益を大きくしていくことであるはずです。銀行に提出した後、経営計画書を放置し、行動計画(アクションプラン)に書いてあることを実践しないのであれば問題です。経営計画書を銀行に提出したら、その後、行動計画(アクションプラン)に書いてあることをどこまで実行し、損益はどのように改善していっているかの報告を求められます。経営計画書を作る本来の目的は、経営を改善して利益を大きくしていくことにあるということをしっかり認識してください。
こちらが、行動計画(アクションプラン)の例です。
行動計画(アクションプラン)例(広告代理店)
この行動計画(アクションプラン)例は次の構成になっています。
- 大項目
- 小項目
- 施策
- 責任者
- 期ごとに実行・実現すること
1つずつ見ていきます。
融資に向けた行動計画(アクションプラン)に書くこと1 大項目
小項目に書いてある、具体的にやっていく施策を大きく分類したものです。この行動計画(アクションプラン)例では「売上・営業面」「原価・粗利益」「販管費・営業利益」「資産・負債・キャッシュフロー」と4つに分けています。
「売上・営業面」・・・売上を上げていくためにどう行動していくか。
「原価・粗利益」・・・売上高総利益率を上げる・原価率を下げるためにどう行動していくか。
「販管費・営業利益」・・・販売費及び一般管理費にある経費を削減したり経費予算内に抑えたりするにどう行動していくか。
「資産・負債・キャッシュフロー」・・・資産面・負債面で問題になっていることをどう改善していくか、また資金繰りを管理しうまく回していくにはどう行動していくか。
融資に向けた行動計画(アクションプラン)に書くこと2 小項目・施策
ここで具体的な施策をを書いていきます。この行動計画(アクションプラン)例では、小項目で施策のタイトルを書き、その右に具体的に何をしていくかを書いています。
融資に向けた行動計画(アクションプラン)に書くこと3 責任者
それぞれの施策について、誰が責任者となって行動していくかです。せっかく具体的な行動計画(アクションプラン)を決めても、責任者がいなければ誰もその行動をしようとしません。責任者を決めて取り組みし、定期的に経営会議を開いて進捗状況を共有していくなど、行動計画(アクションプラン)の実施体制を作ることが、経営計画書に書かれた計画の実現のためには重要です。
融資に向けた行動計画(アクションプラン)に書くこと4 期ごとに実行・実現すること
期ごとに何を行っていくか、そして何を実現するか、です。行動計画(アクションプラン)で決められたそれぞれの施策をどう行っていくか、どういう数字目標を達成するか、ここでは書きます。行動計画(アクションプラン)が立てられ責任者が決められても、いつまでに行動するかが決められないと、いつまでも動かないことにもなりかねません。行動計画(アクションプラン)のスケジュールを決めることが経営計画実現のために重要です。
融資に向けた行動計画(アクションプラン)の作成の順番
行動計画(アクションプラン)の作成は、次の順番で行っていくとよいでしょう。
損益計画を立てる。
↓
損益計画の実現のために何が足りないのか、経営課題、やっていくべきことを抽出する。
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やっていくべきこと(施策)を文章にし、行動計画(アクションプラン)に記述する。
↓
施策をそれぞれ誰が行うのか、責任者を決める。
↓
その施策を実行するスケジュール・期ごとに実現する目標を決める。
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行動計画(アクションプラン)にある施策を実行し、経営会議などで、施策をどこまで実行できたか、実行の結果どうなったのかを検証する。実行できていない施策があれば、なぜ実行できないのか話し合い、対策する。