銀行融資での固定金利・変動金利とは何か

融資の金利は固定金利と変動金利とに分かれます。固定金利は完済まで金利が変わりません。変動金利は完済までの途中で金利が変動します。手形貸付では返済期間が1年以内であることが普通であり返済期間が短いため固定金利が基本です。当座貸越は変動金利、手形割引は割引ごとに金利が決まりますがその金利は変動します。証書貸付では銀行との交渉により変動金利か固定金利かが決められ、金銭消費貸借契約書に記載されます。固定金利と変動金利の選択肢があるのは証書貸付の場合です。

固定金利では完済まで金利の変動がないため、将来の金利変動リスクがないです。一方、変動金利は将来の金利変動リスクがあります。金利が変動し高くなれば、将来の利息負担が大きくなります。

変動金利では、短期プライムレートが基準となっていることが多いです。銀行が、業績や財務内容が良いなど最優良の企業に融資を行う際の最優遇貸出金利をプライムレートと言います。そして返済期間1年以内の短期融資のプライムレートを短期プライムレートと言います。短期プライムレートはそれぞれの銀行で決めています。短期プライムレートが変動すると、変動金利であれば融資の金利も変動します。変動する間隔は6カ月ごとであることが多いです。

証書貸付は変動金利であることが多いです。しかし希望を出せば固定金利で融資を行えないか銀行が考えてくれることもあります。また融資の制度によっては一定の固定金利に初めから決められているものもあります。

銀行融資で固定金利・変動金利どちらが良いか

固定金利と変動金利、どちらが得かは将来の金利がどう変動するかによるため一概に言えません。固定金利が得となるケースは、融資実行後に金利が上昇し、変動金利を適用していたとしたら固定金利よりも金利が高くなった場合です。逆の場合は変動金利が得となります。しかし将来の金利がどう変動するか、はじめから分かりません。金利変動リスクをなくしたいと考え、かつ固定金利とするのが銀行で対応可能であれば、固定金利を選択することも考えたいです。

銀行融資で固定金利を選択する場合に気を付けるべきこと

なお固定金利を選択した場合、将来、もし繰り上げ返済したら違約金がかかることがあります。この場合は融資実行前に銀行から説明があります。

銀行は預金者から預金を集め企業などに融資します。普通預金はもちろん定期預金も預け入れの期間が短い場合が多く、銀行が預金者に支払う金利は変動していきます。変動する金利で預金を集め融資していくので、銀行の融資の基本は変動金利です。

このような状況で融資を固定金利にするために、銀行は変動金利を、専門の市場で固定金利と交換する契約をします(考え方は難しいので、単純に覚えておいてください)。企業が融資の繰り上げ返済を行うと銀行はその契約を打ち切らねばならず、銀行は違約金を支払わねばなりません。そのため銀行は繰り上げ返済した会社に違約金を請求します。固定金利で融資を受ける場合、将来、繰り上げ返済することがあれば違約金がかかるのかどうか、気を付けねばなりません。