本来、赤字企業に銀行は融資をしたくない。

想像してみてください。あなたは、知り合いの経営者から「赤字でお金が足りなくなったから貸してくれないか。」と言われた場合、自分の預金からその経営者に貸すでしょうか。貸したくないですよね。なぜでしょうか。その知り合いが黒字化する努力もしない中、お金を貸しても、返ってくる見込みがないからです。

銀行融資でも同じです。赤字で資金不足となることの埋め合わせのために企業に融資を行う場合、最後まで返済される見込みが薄いです。融資した資金が完済されなければ、銀行は大きな損失を出してしまいます。銀行は公的な機関ではなく民間企業です。あなたの会社と同じで、利益を追い求める一企業です。

一方、融資を受けたい経営者は、そのような銀行の考え方にはなかなか思い至りません。とにかく融資を受けたい、と考えます。赤字を出した企業は資金が不足してしまいますので、資金調達しなければなりません。銀行から融資を受けなければなりません。どうしたらよいでしょうか。

赤字企業が銀行から融資を受けるために作るべき資料

先ほど述べたように、銀行は融資で出した資金を将来、完済してもらわなければなりません。銀行の融資審査では、最後まで返済される見込みがあるかを第一の観点とします。融資の返済は、企業が上げた利益から生み出される現金を原資として行われます。利益を上げられる企業でなければ、返済の原資は生まれません。赤字企業であれば、返済の原資は当然、生まれません。それが、赤字企業が、銀行での融資審査がなかなか通らない理由です。

ただ、赤字はあくまで過去の話です。その企業が将来、利益を上げられるようになればよいです。そこで赤字企業が融資を受けたいのであれば、経営計画書を作成し、将来の黒字化への道筋を見えるようにすることが有効となります。

経営計画書では、将来5~10年の、毎期の損益計画を立てます。当然、将来も赤字を出し続けるのはだめで、黒字化はもちろん、利益を向上していける計画が望ましいです。また数字だけでは、本当にその売上・利益が上がるのか説得力に欠けます。どのように売上を上げていくのか、どのように粗利率を高めていくのか、どのように経費を下げるのか、行動計画を文章で書くとよいです。

経営計画書が、赤字企業が銀行から融資を受けるための王道

そもそも銀行から融資を受けること関係なく、赤字であれば早急に黒字化しなければなりません。経営を改善していかなければなりません。経営計画書を作成することにより、黒字化、利益向上のための行動計画を考えていくことができます。

赤字は、銀行から融資を受けることが解決策ではありません。経営改善を行って黒字化することが解決策です。ただ経営を改善していくにあたって、手元に資金が必要です。経営計画書を作り、黒字化、利益向上の道筋を銀行に説明するとともに、経営改善のため資金が必要であることを銀行に伝えます。これが、赤字企業が銀行から融資を受けるための王道です。