質問

先月末、決算がまとまりまして、新たに融資の相談を行いたく、金融機関へ向かう考えでおります。売上増加に伴う運転資金として、です。希望金額は800万円です。

銀行と日本政策金融公庫、両方へ申し込んだ場合、一方だけでなく、両方から融資を受けることは可能でしょうか。

回答

銀行、日本政策金融公庫、どちらか一方しか融資が受けられないわけではありません。どちらからも受けられる可能性はあるでしょう。

そもそも、銀行間、もしくは銀行と日本政策金融公庫との間で、融資を申し込んだことが情報共有されているわけではありません。ある金融機関で申し込んだことを、他の金融機関で知ることはできません。

例外は、同時に複数の銀行で、信用保証協会保証付融資を申し込んだ場合です。信用保証協会は共通ですので、信用保証協会にて、複数の銀行で申し込んだ事実が分かってしまいます。この場合、信用保証協会から、どちらかの銀行の信用保証協会への保証申込みを却下するように言われます。同時に複数の銀行で信用保証協会保証付融資は受けられません。

同時に申込みすれば、それぞれの金融機関で審査が行われます。1つの金融機関で審査が通ったことが、他の金融機関で分かることはありません。同時に複数の金融機関で審査が通れば、それぞれで融資を受けることができます。

なお、他の金融機関にも合わせて申し込んだということが伝わった場合。複数の金融機関で融資を受けることを、金融機関は疑問視します。なぜなら、融資には必ず資金の使い道(資金使途)があり、それを満たす金額の融資が出るため、複数の金融機関で資金が出ることは二重の融資であると見られるからです。この場合、審査は行われても、複数の金融機関で審査が通ったら、どちらか1つで受けてくれ、と言われる可能性が高いです。

なお協調融資(1つの金融機関では多すぎて出せない金額を、複数の金融機関が分担しあい、協調して出す融資)の場合は、同時に複数の金融機関から資金を出すことを想定していますので問題ありません。

複数の金融機関から融資を受けて金額を大きくしたいということであれば、別の金融機関で申し込んでいることは伝えない方がよいでしょう。