質問
広告・印刷業を営んでいます。
銀行融資の返済のリスケジュール交渉を半年前から行っています。弁護士にリスケジュール交渉の書類を作ってもらいました。交渉の間、利息のみ支払える状態だったのですが、利息は銀行の預金から引き落としされず未払い利息が発生してしまっている状態でした。
銀行の担当者から「今まで手続きがかかってしまったが、銀行の中ではリスケジュールの審査が通り、信用保証協会の方も審査は通るでしょう。」と言われました。そして、未払いでたまった半年分の利息を現金で支払ってほしいと言われました。なおこの半年間、返済を行わずに浮いたお金は、未払いとなっていた社会保険料や税金の支払いに充ててしまいました。未払いとなっている利息をここで半年分、一括で銀行に支払えば、社員への給料遅配を起こしかねません。
当社の現状の返済能力は、元金・利息合わせて、正常返済時の４分の１程度です。それぐらいに銀行への支払いを抑えられたら、なんとか資金繰りはまわります。銀行に、なんとか当社の現状を理解していただき、未払いとなってしまっている半年分の利息を分割で支払えるようにしたいです。また今回のリスケジュールの期間が終わってからも再びリスケジュールを行いたいのですが、どのようにすれば銀行に納得してもらえますか。
（Ｉ様）
回答
あなたの会社の現在は、以下の状態だと推測されます。
- 半年前の返済分からさかのぼってリスケジュールすることを銀行や信用保証協会と合意。
- リスケジュール交渉していた半年間は正式にリスケジュールしていなかったため、元金だけでなく利息も預金から引き落としされず。そのため未払い利息が半年分たまった。
- 正式にリスケジュール手続きするためには、この半年間、引き落とされなかったため未払いとなってしまっている利息を支払うよう銀行から要求されている。
通常、リスケジュール交渉で半年間かかることは考えられないですが、何か事情があったのでしょう。ここでのポイントは、リスケジュールでは、元金返済を毎月ゼロにできても、利息は毎月支払わないといけない、ということです。そのため、半年分、未払いとなってしまっている利息を全て支払うよう銀行から要求されています。それができなければ、正式なリスケジュール状態とならない、ということです。
ただし、未払いの利息を半年分すぐに支払えば、あなたの会社の資金繰りはひっ迫する現状もあります。その事情を銀行に説明し、未払いとなっている利息を分割で支払いできるよう、銀行に交渉するしかありません。今まで支払われていない利息は、銀行側では「未収利息」という勘定で計上されています。それを分割で支払うことにより、未払いとなっている利息を減らしていきます。ただこのやり方は、銀行でも想定していないやり方です。そのため、毎月決まった金額を支払うというよりも、あなたの会社が支払える時に利息を支払って未払いの利息を埋めていき、早く未払い利息をゼロにすることを目指す、という形になるでしょう。
次に、再リスケジュールについて。リスケジュールは普通、６カ月や１年という期間で返済が減額・猶予され、その後は正常時の返済に戻ります。この６カ月や１年で業績が回復し、正常返済できるだけの利益を上げられるようになればよいです。ただそうでない場合、６カ月や１年後、リスケジュールの更新を行うよう、銀行と交渉します。当初のリスケジュール交渉時と同様、経営改善計画書・資金繰り予定表などの資料を作成して銀行と交渉します。
