質問
現在、下記の状況です。
- A社(私が代表)
- C銀行より1000万円借入れ、リスケジュール中。
関係会社B社(私の父が代表)
- 時価評価1000万円の土地を所有。
- 法人としてA社の連帯保証をし、土地をC銀行へ根抵当権で入れている。
- 実質休業中。
このような状況で、A社は新規事業のため、次のように計画しています。
- C銀行に1000万円を返済し関係会社B社の土地に設定されている根抵当権を抹消。
- 関係会社B社所有の土地をA社所有にし、それを担保にD銀行から新規融資を受けたい。
- 関係会社B社は解散または休眠へ。
この計画を実行するため私が考えた方法は次のとおりです。A社に自己資金1000万円あるとして
- A社から関係会社B社へ1000万円を支払い、土地を取得。
- 関係会社B社が受領した土地代金でA社に代わってC銀行へ1000万円返済。
- 関係会社B社を解散または休眠。
この方法の問題点、もしくは他の方法があるか、教えてください。
(S様)
回答
A社と関係会社B社の貸借対照表を簡略化すると、当初は次のようになります。なおA社で現金1000万円を用意しているとします。
A社の貸借対照表
- (資産)現金1000万円
- (負債)借入金1000万円(C銀行から)
関係会社B社の貸借対照表
- (資産)土地1000万円(根抵当権1000万円)
- (負債)0円
この状態から、A社が関係会社B社から1000万円で土地を購入した後、次のように変化します。
A社の貸借対照表
- (資産)現金0円 土地1000万円(根抵当権1000万円)
- (負債)借入金1000万円(C銀行から)
関係会社B社の貸借対照表
- (資産)現金1000万円
- (負債)0円
そしてA社から土地代金を受領した関係会社B社が、A社の代わりに銀行へ1000万円の返済を行った場合、次のように変化します。
A社の貸借対照表
- (資産)現金0円 土地1000万円(根抵当権なし)
- (負債)借入金1000万円(B社から)
関係会社B社の貸借対照表
- (資産)貸付金1000万円(A社に対し)
- (負債)0円
A社には、根抵当権が設定されていない無担保の土地が1000万円あります。銀行の審査しだいですが、その土地を担保に入れてD銀行から融資を受けられる可能性があります(A社が銀行から見て融資をしたい会社であれば、土地を担保に入れず無担保で融資を受けられるかもしれません)。
D銀行の融資審査が通るのであれば、この方法でよいでしょう。ただD銀行から融資が出ないのであれば、他の銀行をあたらなければなりません。それがC銀行でもよいです。
なお関係会社B社が解散する前にA社に対する貸付金を債権放棄すれば、A社は借入金がなくなり、財務内容が良くなります。財務内容が良くなれば、銀行からの評価が高くなり、新たな融資を受けられる可能性はそれだけ高くなるでしょう。ただし債権放棄する分、A社は借入金の債務免除で利益が多くなり税金がかかるので、何を優先させるか考えなければなりません。
また他の論点としては、関係会社B社がA社に土地を売却することにより、関係会社B社にどれだけの利益もしくは損失が出るか、などがあります。税金もからんできますので、顧問の税理士に相談をした方が良いです