資金調達のタイミングを間違えた会社には何が起きるか

「至急、1,000万円の融資ができるところを探してもらえないでしょうか。」このような相談が、私のところには毎日のように来ます。中小企業の経営者からの資金調達の相談です。

この経営者は5日後には取引先に対し支払いしなければならないため、資金調達が必要となりました。しかし、それだけの短期間で資金調達を行うことは困難です。資金調達が間に合わなければ、取引先に謝って支払いを待ってもらうしかないでしょう。ただし取引先からの信用はなくなってしまうかもしれません。

ではなぜ、この経営者はあまりにもギリギリで資金調達を行おうとすることになってしまったのでしょうか。それは、資金繰り予定表を作っていず、行き当たりばったりの資金繰りをしていたからです。

企業が資金調達すべきタイミングを誤らないためにまずやるべきこと

企業が資金調達すべきタイミングを誤らないために、まずやるべきこと。それは、資金繰り予定表を作成し、自社の資金繰りを6カ月~1年後まで予想することです。資金繰り予定表を作成し、将来の資金繰りが見えるようになったら、次に、今のままで資金繰りは回り続けるのか見てみます。そうすると近いうちに、資金不足となることが分かります。

資金不足となれば、仕入や外注費、諸経費、給料の支払いができなくなり、会社は継続できなくなります。そのような資金不足を防ぐためには、利益を増やして会社に現金が残るようにするか、タイミング良く資金調達を行って会社の現金を増やすしかありません。

会社の利益を増やすのは経営者の仕事ですが、資金繰りを回すこと、そのために資金調達を行うことも経営者の仕事です。経営者は資金調達の知識を深め、タイミングを見て適切に資金調達を行うことができれば、その会社は資金不足となりにくい安全な会社となります。さらに資金調達を行うことで、売上を伸ばすための投資や、新事業への投資などもできれば、会社は発展していきます。

冒頭の相談は、この原稿を書いた当日に実際あったものです。実はその経営者は、前の月に1000万円、銀行から融資を受けていました。融資を受けた翌月に「1000万円の融資をまた受けたい」と経営者が困っているのです。それは、前の月に借りた1000万円では資金調達が足りなかったことを意味します。この経営者は資金繰り予定表を作っていず、自分の勘で、前月に1000万円借りるだけで十分と考え、それだけしか借りていなかったのです。

資金調達のタイミングが下手な会社は銀行から嫌われる

銀行が嫌がることの一つは、前回の融資から日数がたっていないのにまた融資を受けたいと企業から言われることです。銀行が考える、次の融資まで空けるべき期間は最低6カ月です。信用保証協会も同様で、前回の信用保証協会保証付融資から6カ月は空けるべきと考えています。なお日本政策金融公庫は1年空けるべきと考えています。前回の融資から日もたっていないのに再び融資を受けたいと言ってくる企業は、計画性のない企業と銀行や信用保証協会から見られてしまいます。

ではどうしたらよいのでしょうか。資金調達のタイミングを考えるには、資金繰り予定表を作成します。それができると毎月月末にいくら現金が残るかが分かり、そして資金不足となる時期が見えてきます。資金が不足する時期の3カ月前に銀行に融資の相談をするのが、資金繰りを考慮した資金調達の基本です。

資金調達のタイミングが分からなければこうすればよい

一方、資金調達のタイミングを考えるのが難しいとあなたが感じるのであれば、いっそのこと借りられる時にたくさん借りて現金を豊富にしておく、という方法もあります。資金不足となるタイミングに関係なく、借りられる時にたくさん借り、現金を多く持っていれば、資金不足に陥りにくく安全な資金繰りができます。

最近は金利が低くなっているので、多きい金額を借りやすくなっています。借入を増やすのが嫌だからと借入金が少ない一方で現金も少ない企業より、借入金が多くあっても現金を多く持っている企業の方が、よほど安全な経営ができます。借入金はできるだけ少ない方がよい、という先入観をまずはなくすべきです。