銀行へ融資を申し込んだが審査が通らず、一方で現在、受けている融資の返済の負担が重い場合。返済が進むにつれ資金不足になる危険があるため、返済を減額・猶予する交渉を銀行と行うべきです。融資の返済を減額・猶予することをリスケジュールと言います。

融資1本1本には、分割返済や一括返済など返済方法が決められていますが、下記、3つの返済方法別に、リスケジュールでどのように返済していくか、考え方をお伝えします。

  1. 毎月分割返済の融資のリスケジュールの返済額
  2. 一括返済の融資のリスケジュールの返済額
  3. 短期コロガシや当座貸越の一括返済を求められた場合のリスケジュールの返済額

1.毎月分割返済の融資のリスケジュールの返済額

例えば、3000万円、60カ月返済、毎月返済額50万円というような分割返済の融資の場合。銀行とリスケジュール交渉することにより、毎月の返済額を減額、猶予(返済額を0にすること)できます。なお元金と利息は別で、通常は利息の減額はできず、毎月の元金返済額のみを減額、猶予します。利息は今までどおり支払っていきます。

リスケジュールを行う企業がここで考えるべきことは、返済額は猶予、つまり0にすることを目標に銀行と交渉することです。

なぜリスケジュールでは毎月の元金返済額を0にすることを目指すべきか

リスケジュールを行うと、毎月の返済額が少なくなり、資金繰りは改善します。例えば、会社が事業で稼ぐ現金、つまりキャッシュフローが年間で500万円、一方、毎月の返済額が250万円、年間返済額が3000万円の会社を考えてみます。

この会社は年間で、

キャッシュフロー500万円-返済額3000万円=△2500万円

と、年間2500万円の現金が減少します。銀行から新たな融資を受けられる会社の場合、年間2500万円の融資を受ければ現金残高は回復します。問題は銀行で融資審査が通らず新たな融資を受けられない会社です。新たな融資を受けられない中、毎月の重い返済を続けていれば資金不足となります。そこで行うのがリスケジュールです。

ここで考えなければならないことは、リスケジュールを銀行へ交渉する際、毎月いくらの返済に抑えるようお願いするかです。例えば毎月250万円の返済を、半分の125万円まで抑えるよう銀行にお願いする場合。年間返済額は125万円×12カ月=1500万円になります。年間のキャッシュフローは500万円ですので、リスケジュール後は

キャッシュフロー500万円-返済額1500万円=△1000万円

と、年間1000万円の現金が減少します。リスケジュール前は年間2500万円の減少でしたので、それよりは現金の減少ペースは小さいですが、しかし現金が減少していくことには変わりません。

このように、リスケジュールしても毎月返済額を中途半端に減額させるだけでは、資金繰りは厳しいままです。リスケジュールは資金繰りを改善する目的で行うものですから、資金繰りが厳しいままでは意味がありません。

リスケジュール交渉を銀行と行う場合、毎月の返済額を0にすることを目指して交渉すべきです。毎月の返済額が0となれば、

キャッシュフロー500万円-返済額0円=+500万円

と、年間で500万円の現金が増えます。リスケジュール中は銀行から新たな融資を受けることが難しいので、リスケジュールの効果で増えた現金は、会社を立て直すための運転資金・設備資金として使え、とても貴重なものとなります。

一方、年間のキャッシュフローが500万円であることから、毎月の返済額は40万円(年間返済額480万円)であれば現金を減らさずに返済が可能である計算にもなります。しかしこの場合、キャッシュフローのほとんどを返済にあてるため現金は増えていかず、また今後、利益が落ちるなど会社が事業で稼ぐ現金(キャッシュフロー)が少なくなった場合、毎月40万円を返済するのでは現金が減少していってしまいます。

なお銀行は、リスケジュールでいったん決めた毎月の返済額をさらに減額することを嫌がります。例えば、リスケジュールで毎月40万円の返済にしたら、その後、業績が悪化したからといって毎月の返済額を0にすることは嫌がるのです。

リスケジュール交渉を銀行に行うのであれば、毎月の返済額は0を目指すべきです。銀行がどうしても毎月の返済額を0にできないと言うのであれば、融資1本ごとに毎月返済額を5,000円や10,000円にする交渉を行います。例えばある銀行で融資を5本受けていたら、1本10,000円、合計50,000円の返済とするよう銀行と交渉します。返済額が0ではないとしても、この金額で銀行が応じてくれるのかと思いますが、応じてくれることは意外と多いものです。

2.一括返済の融資のリスケジュールの返済額

一括返済の融資の場合もリスケジュールできます。一括で返済する期日に返済できないため、返済期日を延長させるか、分割で返済していくよう交渉します。

返済期日の延長の場合、毎月分割返済の融資で返済額を0にするのと同様の資金繰り効果となります。

分割で返済していく場合も、毎月分割返済の融資の場合と同様、毎月返済額を5,000円や10,000円にする交渉を行い、返済額を大きく抑えたいです。

3.短期コロガシや当座貸越の一括返済を求められた場合のリスケジュールの返済額

短期コロガシという、毎月の返済はなく期日になったら返済してすぐに融資実行することをずっと繰り返していく方法の融資があります。会社の業績が悪化した場合など、短期コロガシの融資の継続を銀行から止められてしまうことがあります。その場合、銀行は一括返済を要求してきますが、分割で支払っていくよう銀行と交渉します。

また当座貸越は、限度額(極度額)を設定し、その中でいつでも借りたり返したりできる融資ですが、業績が悪化した場合など、その継続を止められて、銀行から当座貸越残高の一括返済を要求される場合があります。この場合も短期コロガシの場合と同様、分割で返済していくよう銀行と交渉します。

以上のように、短期コロガシや当座貸越の継続を銀行に拒否され、一括返済を求められた場合。一括返済できなければ銀行に分割返済としてもらうよう交渉します。これもリスケジュールの一種です。毎月分割返済の融資の場合と同様、毎月返済額を5,000円や10,000円にする交渉を行い、返済額を大きく抑えたいです。