銀行への返済期間により、短期融資と長期融資に分かれる

返済期間とは、融資を受けた後、完済となるまで、どれだけの期間をかけて返済するのか、その期間を言います。最終返済日までの期間が返済期間となります。

融資は、短期融資と長期融資とに分かれます。短期融資とは、返済期間が1年以内の融資のこと、長期融資とは、返済期間が1年を超える融資のことです。

銀行融資の種類により返済期間に特徴がある

銀行からの融資の種類は4つ、証書貸付・手形貸付・当座貸越・商業手形割引があります。種類により、設定される返済期間に特徴があります。

証書貸付では、返済期間は1年を超えることが普通です(1年以内に設定されることもあります)。そのため証書貸付は長期融資に分類されます。一方、手形貸付では返済期間が1年を超えることはほぼありません。そのため手形貸付は短期融資に分類されます。当座貸越は、極度額(限度額)の範囲ならいつでも融資を受けたり返したりできる方法ですが、当座貸越の極度額の有効期限が何年に設定されていても、極度内での借入・返済は短い期間で行われることが通常なので、短期融資に分類されます。商業手形割引も、手形を割り引いてから、手形の支払期日に銀行が回収するまで1年を超えることはまずないため短期融資に分類されます。

銀行融資の返済期間は銀行との交渉と、審査により決まる

銀行へ融資を申し込む時、返済期間と返済方法(毎月分割返済・期日一括返済など)の希望を伝えましょう。希望を伝えない企業は多いですが、そうなると銀行の思い通りの返済期間にされてしまいがちです。それで融資を受けた結果、企業の資金繰りがうまくいかなくなることがあります。

企業の資金繰りを考えると、返済期間は長い方が、ゆっくりと返済が進みますので資金繰りは楽になります。ただ返済期間が長くなればなるほど、銀行としては、企業が業績悪化するなど、途中で返済できなくなる貸倒れリスクが高くなります。そのような一長一短がある中で、企業は銀行に返済期間を交渉していくことになります。

設備資金や運転資金の融資では、銀行への返済期間はどうなるか

土地・建物や、機械・車両の購入など、設備資金の融資の場合。設備は長い期間に渡り使うものです。設備を購入後、減価償却費を計上する際に、設備ごとに耐用年数が決められますが、できるだけ耐用年数に合わせた長い返済期間としたいです。企業としては、そのように銀行に希望を出したいものです。銀行も、設備資金の融資審査では耐用年数を意識して返済期間を考えます。

一方、仕入や外注費・給料・諸経費支払いのための運転資金の融資の場合。返済期間は短くなることもあれば長くなることもあります。例えば、数カ月後に大きな入金があり、それまでの資金をつなぐ融資であれば、返済期間は短くなります。また、運転資金として何でも使えるようにまとまった資金の融資を受ける場合、返済期間は長くなることが多いです。

このように、融資を受けた資金の使い道が何かによっても、返済期間の考え方は違ってきます。返済期間は自動的に決まるものではありません。企業から銀行に返済期間の希望を出し、その期間で問題ないか銀行が審査することにより決められます。企業としては、資金繰り予定表を作成し、返済期間がどうであると資金繰りはうまくまわるのかを検討した上、希望を銀行に伝えることが重要です。