銀行からの融資を受ける上で重要なメインバンクとは何か

銀行融資の話が出ると、よく出てくる言葉の一つがメインバンクです。メインバンクとは、企業が銀行と取引していく上で最も利用頻度の高い銀行のことです。融資を受けている会社であれば融資の利用頻度が高い銀行がメインバンクとなります。メインバンクの特徴は次のとおりです。

  • 融資残高が最も多い。
  • プロパー融資を最も多く出している。
  • 不動産担保を最も多く入れている。
  • 預金口座に売上を最も多く入れている。

メインバンクは企業が指定できるものではありません。企業が銀行に「貴行をメインバンクにしたいのでお願いします。」と言っても、その銀行が融資を行ってくれないのであればメインバンクになりません。一方、あなたの会社を高く評価し、融資を積極的に行ってくれる銀行もあります。融資を受けていく中で、ある銀行の融資残高が多くなっていき、メインバンクになります。

銀行融資においてメインバンクに期待したい役割

メインバンクには、融資を多く行ってくれるだけでなく、以下も期待したいです。

  • 信用保証協会保証付融資ばかりでなくプロパー融資も多く行ってくれる。
  • つなぎ資金(将来のまとまった売掛金入金日までの資金不足をつなぐ資金)や季節資金(仕入や生産が集中する月と売上入金が集中する月が毎年パターンが決まっている会社が資金不足の時期に借りる資金)などの資金需要に対応し柔軟に融資を行ってくれる。
  • 業績や財務内容が悪化し他の銀行が融資審査を厳しくしてきた時にも融資をしてくれる。

融資残高がいくら多くてもこれらの対応が期待できない銀行は、メインバンクとは言えません。例えば融資残高が最も多くても全て信用保証協会保証付融資で、プロパー融資を依頼しても信用保証協会保証付融資に誘導されてしまう場合。その銀行はメインバンクであると言えるのか考えたいです。他の銀行でプロパー融資を出してくれるところがあれば、そちらで信用保証協会保証付融資も受けていって、メインバンクを変えていきたいです。

銀行融資でメインバンクができることにも限界がある

ただ、メインバンクでも、いつでも融資を行ってくれるとは限りません。1期の赤字ならまだしも、毎期赤字続きで経営計画書を提出してこないなど経営改善の対策もないような会社であれば、銀行が融資を出し続けても赤字補てんに消え融資残高は膨らむ一方です。銀行は融資を行っても返済されなければ貸し倒れとなり損失となるので、融資を行うにも限度があります。

メインバンクがいつでも融資してくれるからと甘えることなく、業績が悪くなり赤字となったらすぐに経営改善の対策を考え、銀行に経営計画書を提出して経営改善の取り組みを伝え経営改善していくことが大事です。そうすればメインバンクは黒字化に向けて融資を行ってくれることは多いです。

銀行融資を受ける上でメインバンクの理想とは

また企業はメインバンクをどこにするか指定できないと言っても、企業規模によって理想のメインバンクがあります。1つの銀行しか融資してくれないのであればまだしも、複数の銀行があなたの会社に融資をしたがるのであれば、どの銀行をメインバンクにするか経営者の意思を反映させていきたいです。

例えば、メガバンクが信用保証協会保証付融資を熱心に勧めてきて、そのメガバンクの融資残高が融資を受けている銀行の中で最も多くなった場合。会社の年商が10億円未満であれば、その後もメガバンクからプロパー融資を受けられず信用保証協会保証付融資ばかり提案してくるケースをよく見ます。年商10億円未満の会社であればメガバンクをメインバンクにするべきではなかったのです。他に地方銀行や信用金庫が信用保証協会保証付融資を勧めてきたのであれば、そちらの方が今後のプロパー融資を期待できるので、融資を受けていった方が良かったのです。

なおメインバンクは近隣に店舗があるところにすべきです。メインバンクとは行き来が多く発生します。経営者や経理担当者などが銀行に訪問することもあれば、銀行があなたの会社に訪問することもあります。銀行員は近隣の会社と多く付き合っている中、遠方にある会社にどうしても行きづらくなってしまいます。そして新たな融資の提案をしづらくなってしまいます。

年商別で、メインバンクの理想をまとめてみました。

年商別 メインバンクの理想
年商10億円~ 年商1~10億円 ~年商1億円
メガバンク × ×
地方銀行
信用金庫・信用組合
政府系金融機関 × × ×

○…メインバンクとしてお勧め △…場合によってはお勧め ×…メインバンクにすべきでない

銀行融資を受ける上でメインバンクとの関係を強めるには

メインバンクとの関係を強化するには、 融資シェアを高くしていきます。融資シェアとは、自社の融資残高において、ある銀行が占める融資残高の割合のことを言います。例えばあなたの会社の融資残高が1億円で、うち6000万円をA銀行から受けていれば、A銀行の融資シェアは60%です。

次は、メインバンクとその他の銀行の、融資シェアのイメージです。

融資シェアのイメージ
メインバンク 40~70%
その他の銀行 メインバンク以外の銀行を合計して30~60%

またメインバンクには融資以外の取引を集めていくとよいです。売上入金、手形の取り立て、口座振替、振込など、メインバンクで多く行います。そうすれば、メインバンクにあなたの会社の売上や仕入の状況、資金繰りを把握してもらいやすいですし、あなたの会社にとっても一つの銀行に取引を集めることにより利便性が高くなります。