会社が融資(ノンバンク・日本政策金融公庫・ノンバンク保証付の銀行融資)を受けて経営者が連帯保証人となったり、経営者個人でいろいろなところから融資を受けたりすると、経営者の個人信用情報に、借入の情報が掲載されます。
融資審査で見られる個人信用情報機関は3つある
個人信用情報機関には次の3つがあります。金融機関がどの個人信用情報機関に加盟しているかは、それぞれの機関のホームページで検索できます。また自分の個人信用情報を調べたければ、取得できます。取得方法はそれぞれの機関のホームページに記載されています。
機関名 | 特徴 |
全国銀行個人信用情報センター | 全国銀行協会が設置、運営しています。銀行・信用金庫・信用組合・信託銀行・農業協同組合の大半と、日本政策金融公庫、信用保証協会・クレジットカード会社・保証会社などが加盟しています。 |
CIC | もともとクレジットカード会社の共同出資により設立された経緯があり、クレジットカード会社を中心に、信販会社・消費者金融・リース会社・保証会社・日本政策金融公庫・銀行・信用保証協会などが加盟しています。 |
日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融・クレジットカード会社・信販会社・リース会社・保証会社・銀行・信用金庫・信用組合・信用保証協会などが加盟しています。 |
個人信用情報は銀行の融資審査でどう影響するか
会社で銀行・信用保証協会・日本政策金融公庫に新たな融資を申し込んで審査される時、マイナスの評価となる個人信用情報は以下のとおりです。1<2<3<4の順に信用が悪くなる情報となり、それを見られてしまえば融資審査が厳しくなります。
- ノンバンクから借入している。
- 借入を過去に延滞していたことがある。
- 借入を現在延滞している、または債務整理(借入の減額や返済の猶予など)している。
- 過去に自己破産している。
銀行・信用保証協会・日本政策金融公庫での新たな融資で、3、4の情報を見られると、まず融資審査は通りません。2でも融資審査が厳しくなりますが、延滞していたのが過去になればなるほど、審査への影響は少なくなります。例えば1、2カ月前の延滞であれば融資審査で警戒され審査が通るのが難しくなりますが、6カ月や1年以上過ぎれば、審査には影響するものの影響の度合いが小さくなるということです。
しかし1.ノンバンクから借入していても融資審査が厳しくなるように、ノンバンクから借入していること自体が、銀行などの融資審査でマイナスの評価となってしまいます。
銀行・信用保証協会・日本政策金融公庫は個人信用情報をどう活用するか
金融機関によって、個人信用情報をどのように活用するか傾向があります。
- 日本政策金融公庫は融資審査で経営者の個人信用情報(CIC)を必ず見ます。
- 信用保証協会は一部の協会が個人信用情報を見ます(申し込む信用保証協会が個人信用情報に加盟しているかどうか、加盟していればどこの個人信用情報機関に加盟しているか。それぞれの機関のホームページで検索できます。)。
- 銀行のプロパー融資(信用保証協会の保証を付けない融資)の場合は個人信用情報を見られることが少ないです。
- 最近増えている、ノンバンクが保証会社となる銀行からの融資では、保証するノンバンクが個人信用情報を見ます。
代表者が過去に自己破産していれば銀行で融資の道はあるのか
また、多くの経営者から受ける質問が「自分は過去に自己破産しているが、銀行などから融資を受けられるのか。」です。
破産歴は、個人信用情報機関で、下記の期間、表示されます。
- 全国銀行個人信用情報センター…10年
- CIC…5年
- JICC(日本信用情報機構)…5年
全国銀行個人信用情報センターでは破産の情報は10年表示されるため、破産してから10年以内に銀行などに融資を申し込み、融資審査で個人信用情報を見られてしまえば、審査に通るのは困難です。
なお破産してから10年以上経過していても、以前に貸し倒れを出した金融機関では、貸し倒れの記録が残っています。10年以上前に経営していた会社が破産、代表者である自分も破産し、今、新たな会社で融資を受けたい場合。貸し倒れを出した金融機関では、融資審査が通るのは難しいです。
例えば、前に経営していた会社で信用保証協会保証付融資を受け、破産し信用保証協会から銀行へ代位弁済していた場合。今、代表者になった新しい会社で信用保証協会保証付融資を受けようとしても、信用保証協会は保証してくれません。代位弁済後は信用保証協会が銀行の代わりに債権者となり会社や連帯保証人である代表者に返済を求めるのですが、それを完済していない限りは新しく保証を受けられません。そうなると、貸し倒れを出していない銀行でのプロパー融資を目指すか、日本政策金融公庫で融資を相談するしかありません。